多様性について

アメリカに来ると、「多様性」というものについていろいろ考えさせられます。今はやりの「ダイバーシティ」というやつです。

 

とにかくアメリカは多様な社会です。したがって、基本的に人は人、自分と他人は違っていて当たり前、という考え方が広まっています。ここが日本とアメリカの最も大きな違いの一つだと思います。多様な社会のメリットとしては、新しいアイデアが生まれやすいという点があると思います。アメリカにノーベル賞受賞者が多いのもこの点が理由の一つでしょう。

 

日本は(少なくともアメリカと比べると)画一的な社会です。なんにせよ、画一的であることを好みます。この点で日本の教育システムは問題がある気がします。あまりに画一的すぎる。全国均一で同じレベルの教育内容を要求します。これまでの、高度成長期などにおいてはこのような教育システムが有効に作用していたのかもしれませんが、社会が成熟した今、何らかの変革が必要な気がします。文部科学省主体ではない、自発的な、多様性を生むような変革です。

 

多様化について考えていると、いろいろ混乱する部分も出てきます。例えば私の今回の海外研修は、国外での研究生活を通じて多面的な思考を身に着けることが目的になっているわけです。しかし、みんながみんな海外研修をしなければならない、というわけではないと思います。私は国内で自分の道を貫く、という人がいてもいいわけですよね。そうした考え方を認めるのが多様性でもあるわけです。

 

また、私は物事には必ずいい面と悪い面があると思っています。「多様性」にも悪い面があるはずです。あるいは画一的であることにも何らかのメリットがあるはず。画一的であることのメリットってなんでしょう?効率?例えば画一的な教育においては、同じ教科書をバンバン刷ればいいので、確かに効率はいいです。他に何かないでしょうか?