Caltechについて

今日教授と話をしたときに、Caltechについてのいろいろな興味深い情報を聞き出すことができました。記録の意味も込めてここに書いておきます。

 

<資金源について>

Caltechはどうやって3:1という低いStudent-Faculty比を維持しているのか?という質問をしてみたところ、次のような答えが返ってきました。まず、Caltechは$3x10^9=約3000億円というとてつもない基金を運用しています。これの運用益で毎年150億円くらい得られるとのことです。この基金の出どころはどうなっているのか聞きましたが、100年前のことなのでわからない、との回答でした。また、例えば私の研究室の教授は「the C. L. "Kelly" Johnson Professor 」という肩書を持っているんですが、これはKelly Johnsonさん(スカンクワークスのボスだそうです)が寄付をした基金から給料をもらっていることを意味しているそうです。そんなこんなでCaltechは年間$750Mの予算を学費に全く頼らずに集めており、結果として人件費に困ることはないんだとか。

 

<どうやって教員を選ぶか?>

「論文の数はまったく気にしていない」ということです。これには驚きました。とにかく、どれだけ独創的な研究ができそうか、という点だけに集中してセレクションをするそうです。推薦状やインタビュー、過去の論文の内容などが委員会で慎重に評価され、最後は学部レベルで投票して合否を決める、とのことでした。

 

<教員の研究分野はどうやって決めるか?>

最近GALCITでも純粋な航空工学をやっている人はあまりいません。そこで上記の質問をしてみたところ、「MITなどライバルとなる大学と分野が被らないようにして、その分野で1位になれるようにする」という興味深い回答が返ってきました。これは小規模なCaltechに独特な考え方かもしれません。

 

<学生をどのように選ぶか?>

まずはGREで高得点が必要なことは当然です。「よい研究者になれそうか?」という観点から、エッセイなどを慎重に評価するそうです。基本的にドクターに行くことを前提に採用するとのことでした。なお、日本の修士課程からの編入ができるかどうか聞いてみたところ、基本的には修士博士の一貫教育になっている、制度的には不可能ではない、との回答でした。いずれにせよCaltechですのでよほど優秀でなければ無理でしょう・・・