結果を評価する

それから、行き帰りの飛行機で考えたことをもう一つ。

 

日本の大学関係の予算申請は変わっていて、基本的に結果を評価しません。計画を評価します。例えば大学改革を実施するのに文部科学省に予算を申請するんですが、基本計画書を作成し、計画書に対して評価がなされ採択が決定されます。科研費なども同じです。大学の教員は9月ごろになると一斉に申請書を書きはじめ、10月に提出し、ピアレビューと呼ばれる研究者同士の(計画書の)評価で採択が決定されます。予算を得るには研究そのものよりもこの計画書の執筆が重要で、学内で計画書執筆に関する講習会まで開かれたりします。

 

私は以前からこのシステムに疑問を持っていました。論文など、結果を評価して、結果に対して研究費を分け与えたほうがよくないですか?そうすれば皆よい論文を書くことに尽力します。また良い論文をかくということはすなわち良い研究をするということですから、研究そのものにも力が入ります。

 

とにかく、あらゆるところで「計画評価」「事前評価」みたいなものがはびこっています。「国際共同研究」なんかもその一つです。昨今は国際共同研究に対し補助金が出たりしますが(これも申請書が評価されます)、そもそもなぜ国際共同研究が必要なのか。国際共同研究することで斬新なアイデアが生まれ優れた研究成果が出る、というのがよく言われるメリットですが、これも国際共同研究そのものより優れた研究成果のほうを評価すべきでしょう。まあ、国際共同研究の場合は教育的なメリットもあるので、一概にはいえませんが。

 

この「計画評価」「事前評価」も、日本人の国民性なのでしょうか?